知っておきたい医学情報 その63 高尿酸血症と痛風―痛風の九九%は男性― (2010年3月18日更新)

 痛風という病気を知らない人はいないだろう。
 足の親指の付け根に突然激しい痛みが起き、最初から激痛で始まり、一日以内に最大の痛みとなる。他の病気の痛みのようにだんだん強くなるというより急激に激痛が発生する。最初の痛風発作は、ほとんど足の親指の第一関節に起き、次に起きやすいのはアキレス腱のまわり、足の甲やくるぶしの関節、膝の関節、まれに手の関節や手指の関節に起こることもある。
 この痛風発作は一か所で起き、同時に二か所以上が痛むことはない。
 痛風発作は、当該関節に尿酸塩の結晶が蓄積することによって起こる炎症から発生する。
 この尿酸塩の蓄積は、血清尿酸値が七・〇/を超える状態が長期に続いたとき、また血清尿酸値が高くなればなるほど起こりやすくなる。九・〇/以上の人は五年後には二二%が痛風発作を起こしたという報告があり、また十四年間の追跡調査で、七・〇―七・九/一六%、八・〇―八・九/二五%、九・〇/以上九〇%の人が痛風になったという報告もある。
 血清尿酸値が七・〇/を超えた状態を高尿酸血症という。現在、痛風患者は全国に約六十万人、高尿酸血症の患者は約五百万人いるといわれる。これまで九九%と圧倒的に男性に多い。女性は女性ホルモンが尿酸を体外に排泄しやすくしている。したがって女性は女性ホルモンの減る更年期以降のこととされていた。しかし近年、女性の社会進出と食生活の関係からか、更年期以前の女性に高尿酸血症が増えているといわれている。
 高尿酸血症はまた、腎障害や尿路結石を起こすことが知られている。尿酸が腎臓に蓄積すれば腎障害を起こし、重症化すれば腎不全に至る。また尿酸が尿路に沈着し結石を起こす。
 尿酸は、白色・無味・無臭の物質で、体内では細胞が壊れたり、エネルギーの代謝によってプリン体から産生される老廃物、人体では尿酸をそれ以上分解できないので、八割は腎臓から、残りは消化管や皮膚から排泄される。
 健康な状態では、尿酸の生成と排泄はバランスが取れている。健康な成人では約一二〇〇の尿酸プールを持っており、一日七〇〇作られ同じ量が排泄されている。この生成と排泄がうまくいかず尿酸プールが一五〇〇を超えると尿酸値は正常値を超えるといわれる。
 尿酸の正常値は、
 成人男性:四・〇―六・五/
 成人女性:三・〇―五・〇/
 尿酸は男女とも体内に三七で七・〇/までしか溶けないといわれ、この数値を超えると高尿酸血症と診断される。
 尿酸産生の素となるプリン体は、化学構造にプリン環をもつ物質で尿酸もプリン体の一種。体内では次の三つの経路で作られる。
 細胞の核にあるDNAやRNA(核酸)が分解してできる。核酸は遺伝子として働いたり、タンパク質の合成などに重要な働きをしている。細胞は常に新しいものに入れ替わっており、その過程で核酸が分解されプリン体ができる。
 エネルギー代謝の過程で生成される。高エネルギー物質ATPが生命活動に使われるとADPに分解される。通常ADPはリン酸と結合して再びATPになるが、激しい運動などで急激にATPを沢山使うとADPが沢山できてしまい、過剰なADPは分解されてプリン体になる。
 食品中に含まれるプリン体で、食品の旨味成分であり核酸に多く含まれている。従来はプリン体を多く含んでいる食べ物は厳しく制限されていたが、食品中のプリン体は腸内細菌によって分解されるので、昔ほど厳しい制限はされなくなった。
 高尿酸血症の人は、薬物治療に加え、

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