|
|
-
竹島を放棄した鳩山民主党政権 濱口 和久 (2010年3月18日更新)
-
鳩山民主党政権は二月十二日の閣議で、日韓が領有権を主張し、韓国が不法占拠している竹島について、日米安全保障条約に基づく米国の防衛義務は、現状では生じないとする答弁書を決定した。
亀井亜紀子参議院議員(国民新党)が質問主意書で「武力によって不法占拠された竹島は日米安保条約が規定した『日本が武力攻撃を受けた場合』に当たらないのか」と質したのに対して、答弁書は「現在の竹島は、わが国が施政を行い得ない状態にある」と指摘した上で、米国が防衛義務を負うのは「日本の施政の下にある領域における武力攻撃」と説明した。
日本政府は従来、竹島は日本固有の領土と位置づけてきた。政権が代わった途端に、竹島が韓国領土になったとでも言うのか。竹島は日本の施政下にありながら韓国による武力攻撃を受け、半世紀以上にわたって不法占拠されているというのが正しい認識ではないのか。
そもそも竹島は日本が主権を回復するサンフランシスコ講話条約発効の三カ月前、昭和二十七(一九五二)年一月十八日に李承晩韓国大統領が火事場泥棒の如く、海洋主権宣言「李承晩ライン」を一方的に公海上に引いたことから始まる。この時、日本政府だけでなく米国、英国、中華民国も韓国に対し抗議したが、韓国は聞く耳を持たなかった。同年二月四日には李承晩ライン周辺で操業していた第一大邦丸が拿捕され、漁労長が射殺される事件が起こった。
その後も、韓国は昭和四十(一九六五)年の日韓国交正常化までの十三年間に合わせて三百二十八隻の日本漁船を拿捕し、三千九百二十九人の日本人を抑留した。その間、四十四人の日本人が死傷した。さらに韓国は昭和二十八(一九五三)年十二月十二日、漁業資源保護法を制定し、抑留した日本人船員に対して三年以下の懲役、禁錮または五十万ウォン(日本円で五百万円)の罰金を科した。損害額は当時の金額で九十億円を超えた。
また、韓国は抑留した日本人を人質に取り、日韓国交正常化交渉を有利に運ぶための外交カードとして利用した。日本政府は日本人抑留者の返還と引き換えに、『常習的犯罪者あるいは重大犯罪者として収監されていた在日韓国人・朝鮮人四百七十二人を収容所より放免して在留特別許可を与える』という屈辱的な要求まで呑まされた。
このような歴史の真実を鳩山民主党政権は知らないのか。今年は日韓併合百年ということで、韓国に配慮する姿勢の一環として、今回の答弁書の内容が決定されたのであれば、鳩山民主党政権は売国奴政権以外の何物でもない。
ドイツの法学者イェリングは自著『権利のための闘争』の中で「隣国によって一平方メートルの領土を奪われながら放置する国は、その他の領土も奪われ、遂には領土を全て失い、国家として存立することをやめてしまうであろう」と述べているが、「国益も大事だが、地球益も大変大事だ」「日本列島は日本人だけのものではない」などの発言を繰り返している鳩山首相にとって、イェリングの言葉は到底理解出来ないに違いない。
二月二十二日は島根県議会が制定した「竹島の日」であったが、島根県議会が「竹島の日」を制定した目的は韓国に対する抗議よりも、竹島問題の解決に本気で取り組む姿勢が感じられない日本政府への抗議の意味合いの方が大きかったことはあまり知られていない。
今回の答弁書は竹島が日本に帰ってくることを待ちわびている人たちに失望を与えたと同時に、日本は竹島を放棄したという間違ったメッセージを韓国に送ったことになる。竹島を放棄した鳩山民主党政権の罪は重いのである。
続きをご覧になる方は定期購読をお申込み下さい。

また、03年1月号~の過去記事はCNB(セントラルニュースバンク)にて購入頂けます。

|
|