プロ野球再編問題が放送業界に思わぬ波紋を投げかけている。
“薮をつついて蛇を出す”
ひとつが民放の株保有制限問題である。
日本テレビの株式を巡って巨人のオーナーである読売新聞グループ本社の渡辺恒雄会長名義株が有価証券報告書の虚偽記載に当たることが発覚した上、この実質上の株保有者だった読売新聞グループが総務省が一社の株保有限度を定める「マスメディアの集中排除原則」に大きく違反していることが判り、図らずも大手全国紙による放送業界支配、さらには系列の在京キー局によるローカル支配の一端が露見してしまった。
その底流にはプロ野球再編に絡む朝日VS読売戦争の再燃があるが、日本民間放送連盟会社の日枝久フジテレビ会長は十一月十二日の定例会見の中でこの問題について、「テレビ放送50年の中で、いろいろな設立経緯があり一概には悪とは言えない」と、いかにもハタ迷惑な顔だった。
しかし“ナベツネ”株問題の余震は収まるどころか、西武のオーナー・堤義明コクド会長が辞任に追い込まれた西武鉄道株の虚偽記載問題に続いて、朝日新聞が執拗にこれを報道したため、同月十六日にはブロック紙の中日新聞までも東海・北陸地方のテレビ・ラジオ七局分の省令違反を“自己申告”せざる得なくなったのをはじめ、大手全国紙の日経新聞が五社、毎日新聞が二社、産経新聞が三社、そして一連の火付け役だった当の朝日新聞が三社、またブロック紙の北海道新聞が二社、さらには在京キー局では日本テレビが十三社、フジが五十三社、TBSが一社、テレビ朝日が十社と、それぞれ実態として株保有制限を超えていたことが分かり、新聞・放送業界は完全に“薮をつついて蛇を出す”事態となってしまった。
放送業界にも市場原理が働く
古くは故田中角栄首相が郵政大臣当時、新聞各社は記者クラブに「電波記者」を配置して放送免許を獲得するために奔走し、政治家・郵政官僚らと謀り、ローカル局の系列化を推進。
以後、株式の持ち合いや役員派遣・天下り等で、放送利権の恩恵に浴してきた。‥
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